技術紹介

● 当社窒化処理の種類

当社のガス窒化処理は、アンモニアを使用しており純窒化処理と呼ばれております。
ガス雰囲気の熱処理のため金属部品の手の届かない内部までしっかりと硬くすることができます。
また、他の表面硬化処理と比較して処理温度が低いため変寸の影響をより小さくすることが可能です。

■ 汎用処理(処理時間と硬化層深さの関係)

表面を硬くする窒化物の形成に必要なMo、Al、Cr等が成分に含まれていることが条件になります。
Cの含有量は窒化処理後の硬さにあまり影響しません。

処理時間を調整することで硬化層を浅くすることも深くすることも可能です。

~処理時間と硬化層深さの関係(材質:SACM645の場合)~

当社汎用処理 処理時間 表面硬さ(HV) 硬化層深さ※全窒化層(mm)
短時間処理 14h前後 1,000以上 0.3
普通時間処理 48h前後 1,000以上 0.5
長時間処理 96時間前後 1,000以上 0.75

※表の数値は目安です。母材硬さによっても異なります。

有効硬化層と全窒化層の違いについてはこちら

● 短時間処理(当社呼称:SN処理)

短納期が求められる場合、それほど硬化層が要求されない場合、より寸法変化を嫌う場合、ガス軟窒化やタフトライドからの変更される場合におすすめしている処理です。

● 普通時間処理(当社呼称:ヨンパー)

最も一般的なガス窒化処理時間になります。
 
 

● 長時間処理(当社呼称:ウルナイト処理)

より深い硬化層が要求される傾向にあるスクリューやシリンダーにおすすめしている処理です。通常は普通時間処理を2回行います。
※納期については営業担当者にご相談下さい。

■ LN処理(金型等専用処理)

より寸法変化を嫌う金型用に処理温度と時間を調整した処理です。
※納期については営業担当者にご相談下さい。

■ SP処理、PASSNITE処理(ステンレス専用処理)

最も一般的なステンレス(オーステナイト系ステンレス:SUS304、SUS316等)は、通常熱処理をしても硬くなりません。また、加工による硬化ではマルテンサイト化してしまいます。
当社のSP処理及びPASSNITE処理はステンレスの特徴でもある耐食性を可能な限り維持したまま表面硬化させるステンレス専用処理です。オーステナイト系、フェライト系、マルテンサイト系のいずれも表面硬化が可能です。
※ステンレスを短時間処理した場合耐食性は低下致します。

外部リンク