2019年04月
「令和」、新元号が決まりました。これほど新元号が注目された年はありませんでした。改元の年月日が明らかにされていましたし、マスメディアでは新元号の予想も立てられました。平成の始まりは昭和天皇の崩御後であり、世の中は自粛ムードだったと記憶しています。
今回は「平成30年を振り返る」などの回顧番組も多数ありましたし、「平成最後の…」という枕詞が耳障りなほど聞こえてきました。平成は戦争のなかった時代でしたが、令和はどのような時代だったと後世に語り継がれるのでしょうか?平成の倍以上のスピードでめまぐるしく世の中が変わっていくのではないでしょうか。私も昭和のノスタルジアを感じる歳ですが、終わりのない技術革新の波が次から次へと押し寄せてくるのでしょう。

先日国連より国別世界幸福度ランキングが発表されました。興味本位でしか順位を見ていませんが、一方でなぜこのような順位になるのか推察したくもなります。幸福度はいくつかの項目を数値化していますが、これは国の構成要素である国民一人一人が今をどう感じているかを調査するのではなく客観的な側面から国の現状を数値化したものでその意味でこのランキングは本当に国民の幸福度を反映しているのだろうかと思います。
日本は全200か国中58位でした。幸福度を測る項目としては一人あたりのGDP、平均余命、寛大さ、社会的支援、自由度、腐敗度とのことですが、国民に今の人生、振り返って過去の人生、あるいはこれからの人生が幸せか、不幸せかを問うて、何%が幸せに感ずるかを集計したほうが実態に近い幸福度と言えるのではないでしょうか。国連のやり方であれば国民でなく国が幸せかを測るものであり、国民一人一人が実際にどう感じているかの肝心の視点が抜けています。日本が58位という順位もそれぞれの項目を見れば何となく頷けます。社会保障の手厚い北欧が上位にあるのも理解できますが、言論弾圧の激しいあのサウジアラビアが18位というのはうなずけません。多くの世界ランキングは裏付けのある数字をべースにしており信頼性はありますが、幸福度ランキングのように調査に携わる人の私情が入り易いランキングについてはその信憑性に少し疑問符が付きます。

それにしても日本の世界ランキングは凋落傾向です。一人当たりのGDP、競争力ランキング、子供たちの学力ランキング、報道の自由度ランキングなど、順位を落としているものが多く明らかに国力が低下していることを意味しています。かつての資本主義国の優等生はどこに行ったかという感じを抱きます。実質賃金の値下がり、実質購買力の低下、消費増税、政治に対する不信感、年金支給に関する将来不安など、ハッピーとは言えない状況が続いています。

先日ある女性歌手のコンサートに行ってきました。コンサートの年間スケジュールが1年前以上に決まり、何時間のステージに立つわけですから、健康を維持し喉の調子も崩さずにその日に望む、このようなストイックな管理をしなければなりません。毎日ではないにしろ大変なことです。歌舞伎役者、劇場役者は毎日の講演を何日間も続けなければなりません。欠席すれば公演中止、あるいは急遽代役をたてるなどの方策を立てねばなりません。
商売の上とはいえ、きちっとした自己管理に頭が下がる思いです。

2019年01月
明けましておめでとうございます。
2019年の経営指針は「永続する経営」に定めました。
当社主要取扱品である大型建設機械部品の世界需要急減で2013年度より厳しい経営状態が続いていましたが、2017年度後半からようやく需要が回復し、事業環境が好転し始めて います。
当社が所属している秦野商工会議所は昨年設立70周年を迎え、この機会に会員の中で100年企業を公募しましたが17社公募がありました。人口17万人の秦野に100年企業が17社あるというのは驚きでした。当社は今年で創立62年目を迎えます。
諸先輩方が苦労の末立ち上げた会社を未来に後輩たちへ引き継ぐのが我々に負わされた責任であり、当社も100年を超える長寿企業にこれからしてゆかねばなりません。

その意味で無理な背伸びはしない、得意な分野に技術力を集中させ、新規設備投資ははっきりとした勝算のない限り行わないということを肝に銘じ、規模は追及せず堅実な持続可能な経営を心掛けていきたいと思います。
正直・誠実・謙虚を会社風土の基礎として‘売り手良し’、‘買い手良し’、‘世間良し’の「三方良し」の精神で永続して業務を続けていきたいと考えております。
社会が求めているもの、社会にとって本当に大事なものを正しく認識し、そこに価値を見出す、社会にとって「良い会社」でありたいと願っています。

今、様々な技術革新の波が押し寄せています、AIロボット、キャッシュレス、自動運転、空飛ぶ車など我々にとってはまだ身近な存在とは言えません。便利を追求する、便利な生活を保障する、これ自体異論はありません。ただ高度に自動化された社会は本当にすべての人間にとって幸せなものなのか疑問です。スマホ、家電の機能が複雑すぎて中々使いづらいという消費者の声があります。メーカーの立場からすると様々な付加価値をつけて高価格で買ってもらおうという意図が見え、少なくもユーザー目線ではありません。このような反省から誰もが分かり易いシンプルな使用方法に回帰しようとする動きが出ています。

これからはキャッシュレスが普及しそうです。キャッシュレスであれば受け取り側は釣銭を支払う必要がなくまた帳尻を合わせる必要がなくなり、非常に便利です。一方で支払い側は現金払いであればなるべくお釣りが少なくなるようなお札、コインの組み合わせを考えますが、キャッシュレスとなれば全く頭を使いません。自動運転になれば運転をするという緊張感・集中心を人間から奪うことになります。このように技術革新による機械化・自動化は人を怠惰にする危険性も十分はらんでいると言えます。

平成最後の年になってしまいました。テレビで平成を振り返るというような番組を見ていると年号が変わるというのは一つの時代が終わったという寂しさを感じます。新年号元年はどのような年になるのか、また新年号は‘自動化が普及し社会生活が画期的に便利になった時代’として将来語り継がれるのでしょうか?

■ 2018年10月
テニス愛好家として是非取り上げたいのは、大坂なおみ選手のテニス全米オープンの制覇です。かつて日本人の誰もが 為し得なかった偉業を若干20歳の大坂選手が成し遂げました。これまでの日本人のテニスグランドスラム最高成績は 2014年全米オープンの錦織選手の準優勝です。セレナ・ウィリアムズ選手との決勝戦ではウィリアムズ選手が主審の警告 ・ペナルティを不服として主審に激しく抗議しましたが、覆されず、ブーイングが飛び交う中、正常心を保ち続けた大坂選手 がストレートで勝ち切りました。試合後の表彰式が始まった途端、表彰のステージに激しいブーイングが観客席から浴び せられました。これは誤った判定によってアドバンテージを得た大坂選手が優勝し、試合前は観客の誰もが信じて疑わ なかった地元のセレナ選手が優勝するという期待が見事に裏切られたことへの、フラストレーションがそうさせたのでしょう。 大坂選手が涙ぐむ場面がありましたが、セレナ選手の大坂選手に対する慰めと「ブーイングは止めて」というセレナ選手 の呼びかけでその場は収まり、表彰式は無事に終了しました。この時の大坂選手の態度が控えめで純粋で日本人的 だとして賞賛を浴びました。このようなブーイングを浴びせる観客の態度は日本では考えられません。地元選手へのひいき はありますが、勝者をけなすようなことは決してしません。日本人の観戦マナーの良さは世界でも有数です。今回の件は、 第50回大会記念大会に産休後のセレナ選手が見事栄冠を勝ち取るというシナリオが見事に崩れた観客の憤りが、 セレナ選手の怒りに重複されて思わず出てしまった出来事と言えます。ライブでこの試合を見ていましたが、大坂選手は セレナ選手を実力的に終始圧倒していましたし、問題なく勝者に値すると言えるでしょう

社名、商品名には名づけられた由来があります。当社の‘極東窒化研究所’は「窒化の研究」をしているわけではありま せん。窒化処理の事業会社です。‘研究所’の名前の由来は窒化処理がまだ商業化されていない約60年前に、 別会社として独立する前の親会社窒化部門で大学と神奈川県の研究機関と共同で何回か試作を繰り返し、やっと 技術的に問題ないところまで行き着き、新会社を設立したわけですが、この時の熱心な研究心をいつまでも忘れずに 持ち続けようということで社名に‘研究所’を付けたと聞いています。例えば東京ディズニーリゾートを経営する「オリエンタル ランド」は‘東洋一のレジャー施設の建設’を目標に作られました。当初バラ園を作る目的でしたが、視察時の米国で たまたま訪れたディズニーランドに感銘を受けこれを日本に誘致しようということになったそうです。

商品名についてもその由来を辿ると歴史的背景が良く分かります。「アンデスメロン」は株式会社サカタのタネが「作って 安心」、「買って安心」、「売って安心」で「安心ですメロン」という商品名でメロンを売り出しました。ところがセンスがない、 メロンには「芯(心)」がないということで「アンデスメロン」としたそうです。南米のアンデス地方とは全く関係がありません。 またハウスの「ククレカレー」のククレは「クックレス(Cookless)」から来ています。まさに調理不要のカレーということになります。 このように会社名、商品名の由来を調べると様々な議論を通じてたどり着いた先人たちのネーミングの苦労がわかります。

■ 2018年7月
W杯サッカーで日本代表は下馬評を覆しアジアグループの国の中で唯一決勝トーナメントに進みましたが、1回戦で世界 3位のベルギーに惜敗してしまいました。W杯での戦いぶりは大健闘と言っていいかもしれませんが、西野監督は解任される ことになりました。わずか3ヶ月あまりの監督生命でした。W杯前の練習試合の結果がそれほど良くなかったとはいえ、W杯 直前での監督交代、そしてW杯直後の監督交代はW杯のためだけの監督就任ということになります。首脳部が長期的 にどのような意図を持って監督の人選をしているのか良く分かりませんが、首脳陣内部だけの思惑で決められているの かもしれません。

それにしても4年に一度のお祭りとはいえ、ベルギー戦では真夜中(明け方)の生中継放送で視聴率30%超を記録しました。 新聞、テレビなどのメディア報道が初戦のコロンビア戦に勝って以降、連日期待を込めてトップに近い報道をし、サッカー人気 を盛んに演出していたことによるもので、サッカーに関心の薄かった人も国の最大関心事であれば見ておいたほうが良いだろう ということで、これほどの視聴率を稼ぎ出したのでしょう。

最近の国会運営は大いに問題あります。小数派の意見があまり尊重されないし、取り上げられない。権力者の意見は 絶対といった風潮があります。現在の国会運営はまさに与党独裁といった感じで、野党が審議拒否しても最後は与党 多数で押し切られ法案がそれぞれ通ってしまう。高度プロフェッショナル制度もカジノ法案も国民の60-70%が反対している にも拘わらず成立した、または成立しそうです。国民の代表である国会議員が党の意向に逆らわずに、民意を無視して 賛成するという暴挙がまかり通っています。民意を反映していない国会など意味はありません。経済界に目を向けた政策 方針と言ってもいいかもしれません。国民は反対の声を上げるでもなく、決まったものしょうがない、現実として受け入れよう ということになり、時間の経過と共に忘れ去られていくのだと思います。

モリカケ問題にしても政府の虚偽答弁が国会で通ってしまい、何となく事態は収束方向に向かっているという信じられない 結末になりそうです。現内閣にしてみれば野党も国民も眼中にはありません。非常に扱いやすいと見下しています。政治に 関心を失い、政治には何も期待しないという国民が増えてきそうですが、これは政府与党の期待するところでもあります。 政治に頼らなくても民の活力である程度の国力アップは図れますが、国の行く末を考えるのは政府の役目です。国民目線 を失った政府に国家の将来を委ねるのは不安が残ります。

サッカーの熱狂的なファンの動向、日本の政治に対する国民の姿勢を見ていると、国民の多数が同じ方向を向いているの が一体感が出て、何となく居心地が良いといった感じがあり、少数派の異論が多数派の声に飲み込まれる風潮があると 思います。このような風潮は最近の日本人の国民性にもよるものでしょうが残念なことです。

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